• 毛糸が作る温かいコミュニケーション

  • 毛糸が作る温かいコミュニケーション
    出会ったものや空間を毛糸で編みくるむというユニークな活動を繰り広げている"ハイパーニットクリエイター"の力石咲さん。iPhoneを編み包むワークショップなども手掛け、若い女性を中心に注目を集めているニットアーティストです。さて、彼女が作り出す作品には一体どんなメッセージが込められているのでしょう?コアラスーツに身を包み現れた力石さんに、その活動についてお話を伺いました。
  • (SHIMICOM)毛糸との出会いについて教えてください。
    (力石)大学3年の冬に友達から帽子の編み方を教わったのが始まりです。その後、卒業制作の素材を何にしようかと考えていた時、「編み物を教わったから毛糸でやってみようかな」という軽いノリで作ったものが、代表作でもある『ManGlobe』という地球儀のロボットです。これがいろんな場面で高評価をいただくようになり、そこから毛糸で作品作りをするようになりました。 『ManGlobe』には、世界中の人と温かいコミュニケーションをとりたいという思いが込められています。五大大陸ひとつずつに目が付いていて、人が近づくと目が瞬きをしてアイコンタクトができる仕掛けになっているんです。昔から自分の中に「世界を征服したい」という野望があるのですが、それはニットで世界中の人と温かいコミュニケーションをとりたいという意味でもあります。
  • (SHIMICOM)即興でその場を編む活動。この発想が生まれたきっかけは?
    (力石)2009年にオーストラリアに2週間滞在して創作活動をする機会があり、その時の体験がきっかけです。出会った人々の靴紐をその場で編んだり、街の観光名所で、目に入ったものを次々と編みくるむことをしました。すると皆喜んでくれて。当時英語があまり話せなかったのですが、作品があることで、初対面でも言葉が通じなくても、みんなで盛り上がることができる、コミュニケーションがとれるということを知りましたね。編み物って世界共通の文化なので、誰でも入りやすいのだと思います。毛糸と針があれば編めるし、なくても指と紐があれば成立しますから(笑)。 それまでの作品作りは毛糸で立体を作るという方向性でしたが、とても時間がかかるんです。時間をかけて作ることが自分の性格には向いていないと思ったし(笑)、いかに速く完成させるかがいい作品になるかどうかの分かれ道だと感じたので、だったら自分は即興でやろうと思いこのスタイルにしました。
  • (SHIMICOM)表現方法としての編み物の魅力とは?
    (力石)毛糸は自由自在にいろんな形に変貌するので、そこに無限の可能性を感じます。過去に、期間中毎日展示会場を編みくるみ、最終日に完成というインスタレーションをやったことがあります。毎日毎日違った空間になっていくところが面白かったですね。また、街を歩いていて気になったものをその場で編みくるむというゲリラ的なことをやっているので、時間をかけずに短時間でできてしまうところも魅力です。
  • (SHIMICOM)作品の共通点、または「力石テイスト」というのはありますか?
    (力石)もともと大学で電子部品を使った立体作品を作るクラスにいたので、LEDなどの電子部品を組み合わせることは好きです。光と毛糸が合わさり、ほわっとぼやけて見えるところがいいなと。あと、動くものと毛糸の組み合わせ。『ManGlobe』の目の瞬きも、機械に毛糸が組み合わさると柔らかい動きになってとてもリアルになるんです。そういった作風は独特かもしれません。 自分としては、あまり可愛らしい作品を作ろうとは思っていないんです(笑)。毛糸ってファンシーといった言葉になりがちですが、「それを越えていかなければ」という思いがあって。シャープでクールな感じが理想です。
    (SHIMICOM)毛糸のiPhoneケースは女性に好評ですね。
    (力石)最新の電子機器と編み物が組み合わさったら、そのギャップが面白いかなと思いiPadのケースを作ったのがきっかけです。そこから、iPhoneやiPadは世界中の人が持っているものなので世界中のiPhoneを編み包みたいと思い、国旗柄のケースを開発してオーダーメイドで制作するようになりました。iPhoneは皆に身近なものですし、編み物は難しいという先入観をぶちこわしたいという思いもあり、ケースを編むワークショップも開催しています。
  • (SHIMICOM)「世界を編みくるむ」とはどういうことですか?
    (力石)「温かいコミュニケーション」を作ることです。作った作品をその場に置いていくので、見つけた人はきっとビックリしますよね。毛糸だから触ってみたくなるかもしれません。そんな風に、発見した人が嬉しくなったり温かい気持ちになってくれたらいいなと。 私にとっては美術館やギャラリーに限らず、街中が作品を設置する場所です。明らかに毛糸を着ていておかしいものや、いつもの風景に溶け込んでしまっているものに作品を仕掛ける方が、スリルがあるし面白いのです。以前、家の近くの道路にあるカラーコーンを編みくるんだことがあります。いくつか作ったのですが、気付いたら違うコーンにかぶされていたり、たまたま通りかかった中学生たちが発見して「なにこれ、かわいい!」とか「どれが好き?」なんて話したりしているのを聞いて、嬉しくてニヤニヤしてしまいました(笑)。こういう風に場が温かくなるコミュニケーションのきっかけを仕掛けていきたいと思っています。
  • (SHIMICOM)これからの展望を教えてください
    力石)これまでの編み物のイメージを越えたいです。「子どもの頃にお母さんが編んでくれた」みたいな世界だけでなく、こういう編み物もあるんだよということを知ってもらいたい。先ほどの中学生の話のように、作品から楽しいコミュニケーションが生まれたり、作品を見てホッと温かい気持ちになってもらえたら嬉しいです。 今後はもっと大きなダイナミックなものを編みくるんでみたいですね。例えば建物自体を編みくるむとか。いずれぜひやりたいなと思っています。
    (取材を終えて) 取材中、天井に吊るされたランプを即興で編みくるんでくださった力石さん。常に持ち歩いているという毛糸と針を取り出すと、30分もかからないうちに編みあげてしまいました。取り付けると、その一角だけ不思議なくらい温もり溢れる光景に。この瞬間、毛糸の「仕掛け」が笑顔やコミュニケーションを生み出すきっかけになる理由がわかったような気がしました。力石さんの毛糸の編み物を使った「温かいコミュニケーション」は、これからどのように展開していくのかとても楽しみです。

    (クレジット) 取材・文 鈴木ハルカ   写真   円山正史(円山写真事務所)

  • クリスマス マーケット
    12月に入り街はクリスマスムード一色に染まっています。 この時期ドイツやオーストリアで開かれるクリスマスマーケットが 最近は日本でも開かれるようになりました。 本場ドイツを思わせる豪華なイルミネーションと クリスマス色満載の多彩なオーナメント そして、屋台のアツアツ料理にホットワイン。 あちらこちらで、楽しそうな笑顔が生まれています。
    <クリスマス マーケットとは> ドイツやオーストリアの広場で、クリスマスの時期になると各町ごとに開催されるクリスマス限定の市場。華やかな装飾に彩られたメルヘンチックな雰囲気を楽しむために世界各地から多くの人々が訪れて来る。
  • キラキラと輝くイルミネーションのなか クリスマスアイテムを詰め込んだ屋台が軒を連ねます。 ドイツのクリスマスの定番、スノーグローブや クリスマスツリーのオーナメントなど 目移りするほど豊富なラインナップ。 さあ、今年はどんな風にコーディネートしましょう?
  • 屋台から漂う甘い香り。 ドイツのスイーツ「フラムクーヘン」(※1)です。 スタンドテーブルでは ドイツビールを片手にホットフードを楽しむ人々の姿も。 恋人や家族と一緒に過ごす温かい時間が ゆるやかに流れます。
    ※1・・・ドイツやフランスで食べられているピザ風の焼き菓子。薄い生地にサワークリームを塗りアップルやバナナなどを乗せて焼いている。
  • 大屋根プラザ
    クリスマスマーケット。 笑顔が溢れるこの空間は 冬の寒さを忘れてしまうくらい 温かく幸せな空気に包まれています。 (開催情報) 『六本木ヒルズ クリスマスマーケット 2012』 期間:2012年12月1日(土)25日(火) 時間:11:00~21:00 場所:大屋根プラザ http://www.roppongihills.com/feature/christmas2012/03.html