• 特集「美しいヨガ」

    日頃、屋内でしていることを家の外に持ち出してみる。 それが朝なら肌寒かったり、急な風が吹いたり。 なのに、なんだか心地いいのはなぜ? 自然の中でヨガをしてみようと思った人がいます。 真っ平らなジムの床とちがって、芝生の上では簡単に転びます。 でも、それが愉しいと感じられたなら、 次も外でやろうと思うに違いありません。 去り行く秋を楽しみながら、さあ、自然の中へー。

  • 美しい自然の中で、世界一美しいヨガと出会う

    一頃はヨガマットを持ち歩く女性がもてはやされ、今でもホットヨガ、ピラティスの教室を街の至るところで目にします。身体の中からキレイになるといわれるヨガですが、身体が硬くてと敬遠する人もいるようです。 去る9月28日?30日にかけて、箱根の大自然の中で行うヨガイベント「True Nature」が開催されました。「世界一美しいヨガ」を掲げるこのイベント。プロデューサーの河津祐貴さんに、自然の中で行う目的をうかがいました。
    True Nature ヨガと音楽と自然。この3つの融合をコンセプトに"世界一美しいヨガイベント"を掲げて開催されるイベント。今年5月にプリンス・グランドリゾート軽井沢、9月にザ・プリンス箱根を舞台に開催された。
    True Nature HP http://www.truenature.jp/

  • (SHIMICOM)自然の中でヨガということですが?
    (河津)海外では山の中や海辺でのヨガは割と浸透していますが、日本ではあまり聞かないのではないでしょうか。 そもそもヨガをなぜやるかというと、心を落ち着かせ「自分の存在がここにある」ということを認識するためです。つまり「自分の生活をきちんと位置付け、原点に戻りましょう」というのがヨガの一番本質的なところです。 原点回帰するためには、最初の出発点となる「場所」は重要です。まず、都会の喧噪から離れた場所でなければいけないでしょう。都会にはいろんな喧噪があり、いろんなものが目に入ってきて、常に頭の中がめまぐるしく動いてしまいます。でも自然の中でなら、そこにいるだけで気持ちが落ち着くし、気を緩められる空気感があります。その点、箱根は首都圏からの交通の便もよく、大自然はもちろん観光地的な要素もあってヨガだけではない楽しみ方ができると思い、今回の会場に選びました。

    プロフィール
    河津 祐貴(カワヅスケタカ)。True Nature ファウンダー。 国際スポーツイベントのコーディネーター/ディレクターとして、世界選手権やワールドカップ等の開催に参画する。海外でのイベント開催のため海外を回りながら、アメリカのCyndi Leeにヨガ、David Nichternにメディテーションの指導を受ける。自身の経験と海外ネットワークを活かしてTrue Natureを主催する。
    HP http://www.truenature.jp/

  • (SHIMICOM)ヨガ初心者でも参加できるのですか?
    (河津)もちろんです。ヨガの高度なテクニックはまったく必要ありません。「スポーツジムでヨガを1?2回やったことがある」とか、「ヨガって健康によさそうだけど何かハードルが高いな」と躊躇している方が気軽に参加でき、実際に体験してみて「ああ、本当に気持ちがいいな」と感じてもらうためのイベントです。この場合、最初に出会う講師の印象ってすごく重要なので、講師の質にはこだわりました。 これまでヨガに抵抗を感じていた人だからこそ、いいものに会う必要があると思っています。これが「True Nature」のテーマである「本質に会う」ということです。
    (SHIMICOM)会場では何を基準に講師を選べばいいのでしょう?
    (河津)まずは最初の印象でいいと思います。講師陣は、国内外の著名な方や実力のある方を集めています。「モデルさんみたいに美人な先生だから」とか「ベテランっぽいから」という理由で選んでもいいと思いますね。 僕はヨガの講師に必要なのは人間力だと思っています。人間的な厚みがある講師と一緒に心を落ち着かせられるというのが、ここでヨガをする最大の意義だと。初心者の場合、講師が自分に合うかどうかの判断ができないと思います。ですから、いろんなクラスを受けてみて、最終的に自分に合う講師をみつけて帰っていただきたいです。そのためにたくさんの講師を揃えていますので。
  • SHIMICOM)自然の中でヨガをするとどういう感覚になりますか?
    (河津)上級者レベルになると、より感覚が研ぎ澄まされる、センシティブになっていくと感じると思います。つまり、いろんな事を感じやすくなるんです。なぜなら、都会と違い箱根には人工物がほとんどなく、あるのは緑と湖と風の音だけだからです。初心者の方でもそれは感じると思います。 3日間通してヨガを行なう理由は、滞在して自分の生活のリズムの中でヨガをしてもらいたいとの思いからです。僕自身長年ヨガをやっていますが、感覚が最も研ぎ澄まされるというか一番気持ちがいいのは朝なんです。5時半や6時頃の朝の澄んだ空気の中で、少し寒いですがそれもまた緊張感になるし、普段味わえないような静寂さもあります。そうなると日帰りというわけにもいきませんので滞在型にしました。泊まって朝ヨガをしてお昼寝して、という体のバイオリズムに合わせた生活を3日間体験していただけるプログラムになっています。 現代人、特に都会人は仕事が忙しいなど常に自分の外側に気持ちが行きがちです。でも「ちょっと一回リセットする」場所として、また自分の内側に目を向ける場所として、「True Nature」を活用していただきたいですね。
  • (SHIMICOM)参加された方の反応を教えてください。
    (河津)7割が女性ですね。30?40代を中心に年齢層は幅広いです。外国の講師も多いので、海外から来られる方や日本在住の外国人の方もいらっしゃいます。 「こんな大自然の中でやるのは初めて」という声は多くて、普段スタジオで練習している方もこの環境に驚かれます。それと、音楽も心を解放させる重要な要素だと思っていますので、講師が教えている後ろで、ミュージシャンが生演奏をするんです。ヨガに合った音楽を流しているので「感動して涙が出た」という人が何人かいました。自然を感じながら深く呼吸をしたところに音楽が入ってくるので、心底リラックスできて解放される感覚になるのかもしれません。このイベントはヨガを練習しに来るというよりも、リラックスして自分を解放させるイベントと考えていただければと思います。
  • (SHIMICOM)体が硬いなど、ヨガに苦手意識を持っている方にアドバイスをお願いします。
    (河津)ヨガは体の硬さは重要ではありません。動きを通して自分の硬い場所を知り、自分が緩む場所を見つければいいんです。むしろ硬い方がヨガは楽しめます(笑)。いきなりぐにゃっと行ってしまうと、自分が少しづつ緩んでいくのを楽しんだり、呼吸が深いところまで入っていくという体験ができませんから。ヨガは柔軟性を求めるものではなく、「心はここにある」ことを感じるための準備体操と思ってください。 働く女性こそぜひ来ていただきたいですね。そしてこのイベントがヨガを始めるきっかけになればいいなと思っています。 ヨガと聞くと修行みたいなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。近年アメリカの女優さんなどセレブリティがスタイリッシュにヨガを取り入れていますし、海外ではみんな、心を整えるという作業を普通にお洒落に、生活の一部としてやっています。イベントに来てみて「カッコいいし気持ちがいいな。普段の生活に取り入れてみよう」と思うようになっていただけたら嬉しいです。
  • (取材を終えて)
    まるで野外フェスのようなヨガイベントです。自然の中でヨガをする気持ちよさやその開放的な空気感が伝わってきて、そこに自分も身を置いてみたくなりました。 ヨガはダイエットにいいといった肉体的なメリットばかりが注目されがちですが、野外でのヨガを体験することで、精神を安定させるという本来のヨガの効用を自ずと実感できるような気がします。深く呼吸をして自分の存在を感じる。せわしない毎日を送っている現代人だからこそ、そういう時間を意識的に作ることが重要なのかもしれません。
    (クレジット)
    取材・文 鈴木ハルカ  
    写真   円山正史(円山写真事務所)