• 花結い師TAKAYAさんが作るウェディングヘアーの現場に密着。 新婦さんが好きだという真っ赤なダリアで作りあげるゴージャスなヘッドドレスは、 プロのヘアーメイクさんに言わせれば神業なのだそう。 世界が注目するアーティスト花結い師TAKAYAさんの素顔に迫りました。

  • 見た人を釘付けにするゴージャスな生花のヘッドドレス。素材は花だけに留まりません。木の根っこや枝、時には野菜なども立派な作品へと変貌を遂げるのです。想像もしなかった素材が頭に乗るというギャップに衝撃を覚えつつも、そのユーモアと独創性に溢れるアートな世界に、つい引き込まれてしまいます。 今回は「花結い師」という新たな世界を切り開いているアーティスト「花結い師 TAKAYA」さんに、創作への思いを伺いました。

  • (SHIMICOM)「花結い師」を始めたきっかけとは?
    TAKAYA)実は「花結い師」を始める前は、パティシエとフレンチを学びカフェを開いていたんです。でも、カフェをやりながらも「まだ違う自分が絶対あるはずだ」という気持ちは漠然と持っていました。 29歳の時、趣味の写真を撮ろうとしたら、女性の頭から花が湧き出ているようなイメージが急に現れ、「それを撮りたい」と思うようになりました。それで、試しに人の頭に花を付けていくと、手からアイデアが湧いてくる感覚を覚えました。これを自分の表現方法にできないかなと思ったのが始まりです。「花結い師」という言葉は自分で作りました。一時の流行では終わらせたくなく、後世に続くようイメージを込めてです。
  • (SHIMICOM)「花結い師」とは、どのような活動をしているのですか?
    (TAKAYA)始めた当初は、ファッションの提案として着物屋さんとコラボレーションしたり、京都のお寺でバフォーマンスをするなど、まずは「花結い師」を見てもらう、知ってもらうことを目的とした活動をしていました。徐々に知ってもらえるようになり、ブライダルの依頼がくるようになりました。現在はブライダルフェアや、イベントでのパフォーマンスが増えてきています。 作品作りについては、花嫁さんなど依頼主の方の要望を踏まえた「ブライダルライン」と、自分の作品を作る「アーティストライン」という、二つの「花結い師」の使い分けをしています。
    (SHIMICOM)作品の発想はどこから得るのですか?
    (TAKAYA)何かに影響されて作るということはあまりないですね。急に完成図の写真が頭に浮かぶ時と、即興で髪に花を置いていく時の2パターンがあります。映像が浮かび、その完成図に向かって走るというか、早く作りたいという衝動に駆られて作るような感覚です。素材は、根っこでも野菜でも、その時その時で興味があるものを使います。ふと「これを頭に乗せたい」と思うこともあります。作っている時は全く迷いがなくできるので、自分の天職だと思っているのかもしれません。
  • (SHIMICOM)どういう思いで作品を作っているのですか?
    (TAKAYA)「見る人の感性を動かしたい」という思いはあります。男性がモデルをしている作品などには驚かれることもありますが、女性だけでなく男性にも似合う花があるんじゃないかと思って作りました。僕の作品を見て、どう感じるか。嫌に思うかもしれないし、「わあきれい!」って思うかもしれない。そういう気持ちになるということはどちらにしろ、その人の感性には響いているわけですから、そこが重要だなと思っています。 子どもの頃からきれいなものに興味がありました。ある時、欲しかったチューリップを自分の部屋に飾った瞬間、部屋の空気がパッと変わったことに気付き、花には何か力があると知りました。だから、きれいなものを作りたいという気持ちは強いかもしれません。たとえエグい作品であっても「きれい」とか「美」というところはブレていないつもりです。
  • SHIMICOM)生花を使ったヘッドドレスの魅力とは?
    (TAKAYA)生き物なので、やはり生命力を感じさせますね。と同時に、枯れて行く様も美しいと思います。それを汚いと捉える人もいるかもしれないけど、僕の中での「美」ではありますね。 生花だけにこだわっているわけでもないんです。花の色やデザインの方に興味を持っているので、今自分が表現する方法として側にあるのが花であり、花を借りて表現しているという感じですね。
    (SHIMICOM)日本と海外での反応の違いはありますか?
    (TAKAYA)「花結い師」を始めた当時は、売り込みに行っても「無視!」みたいな感じでした(笑)。初めてのことって、みんな受け入れるのが怖いわけです。「あなたはヘアメイクさん?花屋さん?どっち?」と、まず初めに聞かれましたし。でも海外の場合は日本と違って先入観がないというか、ファッションとしてアーティストとして、僕が見て欲しいところで評価をしてくれるので、その辺りは違うなと。
  • (SHIMICOM)今後の展望を教えてください。
    (TAKAYA)今年は海外に出て発信していきたいですね。そしてもっとファッション色に近づけたいです。自分の最終目標はファッションのコレクションに出ること。パリコレのような世界的なコレクションに出たいというのが今の目標です。
    (取材を終えて)
    小学生の頃から花好きだったと話すTAKAYAさん。「チューリップを飾った瞬間、部屋の空気がパッと変わった」とのエピソードに「花結い師 TAKAYA」の原点を見つけました。大きな身体に、いつも新しいいたずらを考えているような少年っぽさを秘めている人。そんなTAKAYAさんの一番好きな花はダリアだそうです。「洋風だけど実は昔からある日本の花。日本で生産されていると知って一段と好きになりました」と、大好きな花の話題は尽きません。 さて「花結い師 TAKAYA」の作品を見て、あなたは一体何を感じるでしょう?見る人の感性が試されているのかもしれません。
    (クレジット)
    取材・文 鈴木ハルカ  
    写真   円山正史(円山写真事務所)