• 2月号READ特集
    「炎を鑑賞する新しい暖炉」

    2月は、一年のうちで一番寒い時期。
    暖房器具にもいろいろありますが、
    今一番欲しいのは暖炉や薪ストーブ。

    そこで今回取り上げるのは、バイオエタノールを燃料とする
    煤(すす)も煙も出ない、まったく新しい暖炉です。

  • 薪を使わない暖炉があると聞き、北風が吹き付ける中、東京・南青山へやって来ました。
    ショールームを覗くと、暖炉とは思えないモダンなガラスケースの中で、炎だけがまるで絵画のようにゆらめいているという衝撃的な光景が。
    これが、その新しい形の暖炉との出会いでした。
    日本における総代理店である株式会社メルクマールのMahoさんに、“まったく新しい暖炉”「エコスマートファイヤー」の魅力についてお話をうかがいました。

  • (プロフィール)
    Maho(まほ)。大学卒業後、店舗内装などの内装業界で建築を学ぶ。その後、照明デザインを経て、海外(パラオ共和国)に居住。帰国後、インテリアとして炎をデザインでき、照明としても使えるecosmartfireの新たな魅力と可能性に強く惹かれて、株式会社メルクマールにてエタノール暖炉ecosmart fireのマーケティング・セールス部門を担当する。現在商業施設から住宅まで幅広くプロジェクトへの導入の提案/導入しやすい環境作りをしている。
    HP
    http://www.ecosmart-fire.jp
    <ecosmart fire 受賞歴>
    2011年 : IIDA/HD周辺機器および特殊機器・エクセレンス賞(アメリカ)
    2011年 : デザイン電化製品・新製品賞(オーストラリア)
    2010年 : 最優秀新製品・編集者賞(アメリカ)
    2009年 : ニューヨークハウスマガジン誌イノベイティブ・グリーンデザイン賞(アメリカ)
    2009年 : オーストラリア国際デザイン賞(オーストラリア)
    2009年 : ハース&ホーム誌ヴェスタ賞(アメリカ)
    2006年 : インテリアデザインマガジン誌年間最優秀「ロスコース」賞(アメリカ)2004年 : オーストラリアン・デザインマーク賞(オーストラリア)
  • 注目を集める”新しい暖炉”

    (Mahoさん)これ、いきなり炎がボッと見えるのでとてもインパクトがありますよね?この炎が、実は素敵なインテリアでもあるんです。日本では炎を見るという文化が途絶えてしまいましたので、ここにいらした皆さん、炎を目にされてまず最初に驚かれますね。
    (SHIMICOM、以下S)炎の魅力はどういうところでしょう?
    (Mahoさん)ただ暖めるだけであれば、エアコンも床暖房もあるご時世ですが、自宅で炎を鑑賞できるというところがこの暖炉の一番の魅力だと思います。
    不思議なもので、火のあるところには人が集まってくるんです。購入されたお客様に「家族で炎の周りに居る時間が増えた」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
    囲炉裏や火鉢など、日本でも昔は火や炎は家族の団らんの中にありました。ですからこの暖炉も、その現代版のスタイルとして考えていただければと思います。
  • (S)どういう仕組みの暖炉なのですか?
    (Mahoさん)バイオエタノールというトウモロコシやサトウキビから作られる液体燃料を使用する暖炉です。燃焼しても有害物質を出しません。また、薪の暖炉とは違い、煙や煤(すす)が出ませんので煙突を付ける必要がありません。大掛かりな設置工事のことを考えて暖炉の導入を断念されていた方も、新築やリフォームのタイミングを気にすることなく設置できます。この通り炎が見えますので安全面で心配される方もいますが、灯油ストーブと同様、直接触らなければ安全です。構造は、理科の授業で使ったアルコールランプの芯のないタイプが、このバーナーの中と同じと思ってください。タンクにバイオエタノールが入っていて、それが燃焼する仕組みです。
  • 海外生活で親しんだ”炎のある暮らし”

    (S)炎を見たり火を身近に感じることの良さとは?
    (Mahoさん)私は以前、パラオという南の国に住んでいたのですが、パラオは常夏の国なので暖炉は使うことはありません。でも、日常的に焚き火をするんです。火を焚いて仲間同士でバーベーキューをしたり、ファイヤーダンスを踊ったりと、それはとても暖かく幸せな時間でした。
    ところが帰国して東京で暮らし始めたら、日々何かに追われているような感覚になりまして。とにかく心が休まらないんです。パラオと比べれば東京には何でも揃っていますよね。すごく便利なのに、でも何かが足りないんです。ある日、仕事を終えて家に帰って来てこの暖炉の炎を見ていたら、スーッと心が落ち着くのを感じました。その時に初めて、炎が見る人の心を穏やかにすることに気づいたんです。
    暖炉を置くと言うと大げさな印象になってしまいますが、炎はくつろぎの空間と時間を演出してくれます。本を読んだり音楽を聴いたり、お酒を飲んだりしながら炎のゆらめきを眺めているだけで、とてもリラックスできると思います。
  • “格好良さ” だけではない暖炉の魅力

    (S)お客様の反応はいかがですか?
    (Mahoさん)初めは男性のお客様が「格好いいね」と強い興味を示されるんですが、実際に購入された後のお話をうかがうと、奥様や女性の方が気に入ってしまわれることが多いようです。その理由の一つは、掃除やお手入れをする煩わしさがないというところ。暖炉とちがって煤(すす)を掃除したりする面倒がありませんし、毎日の手入れもほとんどいりません。もう一つは、空気が乾燥しないところです。エアコン暖房の場合、乾燥防止のため加湿器が手放せないという方も多いと思います。ですがこの暖炉は、燃料であるエタノールの成分に水分が多く含まれていて、燃焼と同時に水が蒸発して出てきますから、加湿器の役割にもなります。「乾燥知らずで嬉しい」と言ってくださる女性の方は多いですね。
  • (S)屋外でも使えるのですか?
    (Mahoさん)日本はお部屋が狭いので、常設タイプよりも、圧迫感を感じさせないガラスタイプや、持ち運びができるタイプの製品が人気です。持ち運びタイプは、外ではライトとして活用することもできます。例えばお友達が来てテラスやお庭で過ごすという時に、屋外に出して灯りにするという使い方です。
    (S)今の季節、特に炎が恋しくなりますが。
    (Mahoさん)日本はどんどんIHになってしまっているため、お子さんが火や炎を見る機会が減っているのは残念に思います。火は確かに危険なものなんですが、人間が生きる上で決して欠かせないものです。「危ないから」と火から離してしまうのではなく、火と一緒に暮らして、「暖を得られるだけでなく、炎は癒しや落ち着きを与えてくれるものなんだよ」と子どもに教えることも大事だと思います。夜、ここのショールームの前で足を止め炎に見入っている方の姿をよく目にします。お声をかけると「炎を見るだけで、気持ちが温かくなるね」と。まさにその通りなんです。そういった炎の魅力を、この暖炉を通して多くの方に感じていただけたら嬉しいです。
  • (取材を終えて)
    何より印象的だったのは炎の存在感でした。Mahoさんが「同じ形の炎はありません」と言われるように、一瞬一瞬姿を変える炎のゆらめきはまるで生き物のようで、時間を忘れて見入ってしまいます。
    手軽で便利な電化製品が喜ばれる現代ですが、炎を囲む暮らし方が、もっと注目される時代になるかもしれません。
    取材・文 鈴木ハルカ  
    写真 中根佑子