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    4号READ特集
    「ワクワクが詰まった進化系サラダ」

    なんだか流行っているみたいなんです。
    書店でもテレビでも見かけるし
    見た目にもカワイイし、おシャレ。

    だったら、聞いてみましょうということで
    今月の特集は話題の”ジャーサラダ”の、
    仕組みから作り方のコツまで全部ご紹介します。

  • そこにあるだけで「一体これは何?」と目を奪われてしまう「ジャーサラダ」。

    スイーツのような華やかさを放ち、瓶の中身がサラダとは到底思えないビジュアルです。

    そんな話題のジャーサラダにいち早く目を付け、オリジナルレシピを多数考案されているのが料理研究家のりんひろこさんです。
    暖かな春の陽射しが差し込むキッチンスタジオで、ジャーサラダの魅力と美味しく作るコツを教えていただきました。

  • (プロフィール)
    りんひろこ。料理研究家、フードコーディネーター。京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできるスパイス&ハーブ料理の提案。現在、TVや雑誌でのフード関連、パーティシーンでの料理プロデュースの仕事などに携わっている。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』(世界文化社)がある。
    HP
    http://minato-kitchen.com
  • 保存がきくジャーサラダとは

    (SHIMICOM、以下S)ジャーサラダとはどういうサラダなのですか?
    (りんさん)まず「ジャー」とは広口瓶のことを指します。口が広く固形物が入れやすい造りになっています。この瓶を使って作るサラダのことをジャーサラダと呼びます。ジャーサラダの発祥は2011?12年頃で、アメリカのローフード(※1)やビーガン(※2)の方たちの間でまず話題になり、そこから一気に広まったようです。 ジャーサラダの特徴は、瓶に密閉することにより生野菜でも数日間新鮮さを保つことができるので、まとめて作り置きもできるというところです。蓋をし冷蔵庫で保存すると、中身が野菜だけでしたら4?5日、お肉などが入っている場合でも2?3日は美味しさが保てます。

    ※1・・・加工されていない生の食材を用いた食品、あるいは食材を極力生で摂取する食生活のこと。

    ※2・・・菜食主義者(ベジタリアン)のうち、畜肉・鶏肉・魚介類などの肉類に加え、卵や乳・チーズ・ラードなど動物由来の食品を一切とらない人のこと。

  • (S)りんさんがジャーサラダに興味を持ったきっかけは?
    (りんさん)2年前、あるお店にフードコーディネーターとして携わることになり、NYや北米の野菜サラダのトレンドはなんだろうと調べたところ、本の中にジャーサラダをみつけました。一目見て「これは画期的だ」と思いました。なぜなら、普通サラダというのは時間が経つと美味しくなくなってしまいますが、これは密閉した瓶の中に野菜を層状に分けて入れることで、野菜の鮮度や美味しさを数日間保てるんじゃないかと。何より面白いと思ったのが、瓶の一番下にドレッシングを入れて、ドレッシングに浸したくないものや水が出ては困るものをは瓶の上の方に入れるというやり方です。見た目にもとても可愛いんですよね。そこから興味を持ち始め、いろんなレシピを考え出すようになりました。
  • ドレッシングが美味しさの秘訣

    (S)ジャーサラダのいいところは?
    (りんさん)やはり、事前に作り置きができるところです。今までサラダは、食べる直前に作らないといけませんでした。というのも、ドレッシングをかけると野菜から水分が出てしなっとなってしまうからです。ところがジャーサラダは瓶の中で新鮮なまま保存ができますから、忙しくて毎回作る時間がない方でも、一度に何個か作ってストックすれば手軽にサラダを楽しめるようになります。また、汁が漏れる心配がありませんので、持ち運ぶ際にも便利です。 ドレッシングが少量で済むところも身体に嬉しいですよね。ジャーサラダは食べる前に瓶をよく振り、ドレッシングを全体に馴染ませるので、最低限のドレッシングで済むんです。
  • (S)美味しく作るコツを教えてください。
    (りんさん)まず、野菜は少し薄めに切るのがポイントです。分厚く切ってしまうと、ドレッシングが馴染んでいないところが出てしまいサラダとして統一感がなくなってしまいます。一般的に、瓶の一番下にはドレッシングに浸ってもいい堅い野菜を入れなさいと言われますが、200以上のレシピを試した結果、実は堅い野菜よりも、ドレッシングと馴染んで旨味が出る食材を入れる方が、サラダが美味しくなるということがわかりました。具体的にはトマトやコーンといった素材を入れると自然な甘みが加わりますし、切り干し大根など乾物も旨味が出ます。
  • (りんさん)一番おすすめなのが、玉ねぎとトマトです。玉ねぎは水にさらさなくても数時間後には辛みが抜けて、ドレッシング自体が玉ねぎドレッシングのような味わい深いものになります。私がサラダによく使う白ワインビネガーは日本のお酢よりも酸味が強いのですが、玉ねぎやトマトが浸かることによって、すごくまろやかな味わいに変化します。 例えばひき肉は、焼いてから時間が経つと冷えて脂肪が白く固まりますが、まだひき肉が温かいうちにドレッシングの中に浸してしまうと、お肉の旨味が溶け込んで脂肪が固まることなく野菜に混ざります。あとはフルーツですね。フルーツの甘みがドレッシングと混ざり合ってより美味しくなります。メロンやスイカは優しい甘みのドレッシングになり、オレンジやミカンは爽やかな味わいに。ブルーベリーや葡萄ならバルサミコ酢のような風味のドレッシングになりますよ。
  • 組み合わせで広がるバリエーション

    (S)瓶に詰めるときのポイントはありますか?
    (りんさん)基本的に瓶の一番下にドレッシングを入れ、次にドレッシングに浸っても構わない食材から順に重ねていき、ドレッシングに浸したくないものや水分が出ては困る食材を上に入れます。 また、せっかく中身が見える瓶なので色も大事です。トマトの赤やパプリカの黄色があるだけで華やかな印象になりますし、オリーブやレーズンなど黒色の食材を入れると全体が引き締まります。卵や海老などはわざと瓶側に寄せて色や形を見せたり、カットした断面が可愛い食材は瓶に貼り付けるように入れると、できあがりがとても可愛らしくなります。これからの季節は、菜の花やアスパラがおすすめです。茹でた野菜は食感がなくなってしまうので、ナッツ類と組み合わせると食感も楽しめますよ。季節によって使う野菜も変わりますし、ドレッシングでも味の印象が変わります。
  • (S)食べ方はどのようにすれば?
    (りんさん)食べる直前に瓶を逆さまにしてよく振り、お皿に出していただきます。盛り付けのコツは、逆さにした時一番先に出てくる葉もの野菜を瓶の口で脇に押し寄せながら、瓶を揺さぶりつつゆっくり出します。外に持ち出す場合は、プラスチックの軽いボウルなどの器も持参するといいですね。職場にも器を置いておくと便利ですよ。
    (S)ジャーサラダに興味を持たれた方にアドバイスを。
    (りんさん)野菜不足を気にされている方も、これを作りストックしておけば会社のランチにも持って行けます。瓶詰めなので場所も取りませんし「冷蔵庫にあるよ」と言えばご家族も簡単に食べられます。女性なら小振りの240mlサイズの瓶で十分ですし、男性でも480mlの瓶で満足できると思います。お肉や豆、チーズなどタンパク質の食材を加えると栄養バランスも腹持ちもよくなりますから、ダイエットにも向いていますよね。ぜひ気軽に作ってみてください。
  • (取材を終えて)
    自宅や仕事先での食事はもちろん、瓶詰めされたその美しさは、持ち寄りパーティのアイテムにもピッタリです。食材でドレッシングの味が変化するという点も、これまでにない新しいカタチのサラダだと感じました。 お洒落で実用性を兼ね備えたジャーサラダ。新生活のスタートと共に、手軽で美味しいサラダ生活を始めてみてはいかがですか?
    (インフォメーション)
    りんひろこさん考案のジャーサラダレシピ本『作りおきで毎日おいしい NYスタイルのジャーサラダレシピ』(世界文化社)は全国の書店で好評発売中。本当に美味しい選りすぐりのレシピ72品を紹介しています。
    取材・文:鈴木ハルカ  
    写真:中根佑子 
    協力:世界文化社