• 3月号READ特集
    「パワーサラダは完全食」

    「ヘルシーでおしゃれ」という理由から、 今、パワーサラダ専門店が続々とオープンしています。 それだけでお腹がいっぱいになりそうな、ボリュームのあるサラダ。 今回は、N.Y.から上陸したというパワーサラダについて、 N.Y.でも料理教室を主宰している料理家の山田玲子先生に伺いました。 ※アメリカではSalad Bowl(サラダボウル)と呼んだり、ザクザクと刻んでChopped Salad(チョップドサラダ)と表現したりすることもあります。 。

  • (プロフィール)
    山田玲子(やまだれいこ)/料理家 フェリス女学院大学卒業後、調理師免許を取得。1995年より自宅で料理教室「Salon de R」を主宰。N.Y.やシンガポールなどでも料理教室を開催している。食品会社のレシピ開発、雑誌やラジオ番組出演など幅広く活動。著書に『おにぎりレシピ101』(ポット出版)、『NY発!サラダBOWLレシピ』(大和書房)がある。 Salon de R http://www.reiko-cooking.com

  • 食は一番身近な外交

    SHIMICOM、以下S 山田先生がN.Y.スタイルのサラダを紹介しようと思われたきっかけを教えてください。
    山田先生 かなり前の話になりますが、大学卒業後、1ヶ月ほどフィンランドに行ったことがあります。そこで日本食をふるまったのですが、みんなが本当に喜んで「美味しい、美味しい」と食べてくれました。その時、「食べることで人の輪が作れる」と確信したのです。それが、私が調理師免許を取得しようと思ったきっかけでした。以来、私は「食が一番身近な外交」をモットーに、海外でも日本料理を紹介しています。逆に、私たちが海外に行ったときも、感動する料理がありますよね。例え言葉が通じなくても、料理を食べた瞬間、「美味しい」とか「美味しくない」という反応があるから、お互いに打ち解けるのが早い。
    S そのひとつがN.Y.スタイルのパワーサラダだったのですね。
    山田先生 一昨年前の春だったと思います。N.Y.に住んでいる友人から、「今、サラダが流行っている」と教えてもらい、さっそく専門店に行って、びっくりしました。そこには、N.Y.スタイルに進化したサラダがあったのです。

  • S N.Y.で、パワーサラダはどのように流行していたのですか?
    山田先生 基本のサラダに、あれこれトッピングをすると、16〜17ドル(日本円で約2,000円)になりますから、料理としては高いんです。それでも、朝からビジネスマンが専門店に並んでいました。テイクアウト用の大きなパックにサラダを入れてもらい、そこで食べきれない分は持ち帰っていましたね。きっと、ランチにも食べるのでしょう。
    S 彼らの食事はパワーサラダだけですか?
    山田先生 私たちがイメージするサラダは食事の付け合わせですが、実は、パワーサラダは量も多く、それ1皿で完全食になるように作られているのです。葉野菜をベースに根野菜やトマト、穀類、豆類などの植物性たんぱく質、肉やチーズなどの動物性たんぱく質、スーパーフードを入れ、ドライフルーツを加えることもあります。だから栄養バランスがよく、腹持ちもいいのが特徴です。日本人女性だと、量が多くて食べきれないかもしれません。
    S そのブームが日本にも上陸したのですね。
    山田先生 N.Y.でセレブが紹介して、日本でも流行に敏感な人が取り入れ、専門店ができ始めました。

    1 食物繊維が豊富なチアシード
    2 ビタミン類のバランスがいいゴジベリー(クコの実)
    3 スーパーフードのアーモンドが入ったミックスナッツ
    4 食感が楽しめるフライドオニオン
    5 ポリフェノールが豊富なドライクランベリー
    6 中央はカッテージチーズ。

    パワーサラダにはドライフルーツやナッツ類も加えたい。

  • ビタミンA、K、C、葉酸が豊富な豆苗。

    植物性たんぱく質として欠かせない豆類。水煮になった缶詰やパックが使いやすい。右は茹でて使うもち麦。

    1 亜鉛や葉酸が摂れるひよこ豆 2 必須アミノ酸のバランスがいい大豆 3 たんぱく質が豊富なもち麦 4 ビタミンやミネラルが摂取できる雑穀米 もち麦や雑穀米は栄養価が高いだけでなく、食感も楽しめる。

  • 豚しゃぶのパワーサラダ

    【材料(1ボウル分)】
    水菜 40g 豆苗 30g 大根 適宜(お好みで調整) 豚しゃぶ 100g 水煮大豆 50g ゴジベリー(クコの実) 適宜 <ドレッシング> レモン汁 大さじ2杯 サラダオイル(またはオリーブオイル) 大さじ2杯 ゆず胡椒 小さじ1杯 塩・コショウ 各少々
    【作り方】
    1. 水菜と豆苗は3センチに切り、一緒に合わせておく。 大根はピーラーで薄く切る。 2)豚肉は熱湯にくぐらせてしゃぶしゃぶにする。 3)合わせた水菜と豆苗に、水煮大豆を混ぜる。   薄くスライスした大根と豚しゃぶをのせて、ゴジベリーをトッピングする。 4)ドレッシングの材料を混ぜあわせ、まわしかける。 大根をピーラーで薄く切ることで、見た目が楽しくなり、豚肉との相性もよくなります。ゴジベリーはそのままトッピングしても、野菜の水分やドレッシングを吸って柔らかくなりますが、より柔らかい方がお好みの方は水で戻してください。

  • サーモンのパワーサラダ

    【材料(1ボウル分)】
    ベビーリーフ 50g ルッコラ 20g もち麦 50g 刺身用サーモン 1サク(70g) ブロッコリースプラウト 20g ドライクランベリー 適宜 チアシード 小さじ1杯 <ドレッシング> レモン汁 大さじ2杯 サラダオイル(またはオリーブオイル) 大さじ2杯 粒マスタード 小さじ2杯 塩・コショウ  各少々
    【作り方】
    下ごしらえ)刺身用サーモンは両面をこんがりと焼き、もち麦は15分茹で、チアシードは20分水に浸す。 1. 器にベビーリーフと3センチにカットしたルッコラを一緒にして、茹でたもち麦と合わせる。 2)その上に焼いたサーモンをサクのままのせる。 3)ブロッコリースプラウトとクランベリーを飾り、水に漬けたチアシードをのせる。 4)ドレッシングの材料を混ぜあわせ、まわしかける。 刺身用サーモンは食べるときにほぐして混ぜます。もち麦のモチモチとした食感と、チアシードのプチプチとした食感がやみつきになるサラダ。クランベリーは魚との相性がいい食材です。

  • ひよこ豆のパワーサラダ

    【材料(1ボウル分)】
    ベビーリーフ 1袋(50g) パクチー 20g ミディトマト 適宜 キュウリ 1本 カッテージチーズ 20g 雑穀米 50g 水煮ひよこ豆 50g <ドレッシング> バルサミコ酢 大さじ2杯 サラダオイル(またはオリーブオイル) 大さじ2杯 塩・コショウ 各少々
    【作り方】
    下ごしらえ)雑穀米を炊いておく。キュウリはピーラーで皮目をむいて乱切りに、ミディトマトはくし切りにする。 1)ベビーリーフと2センチにカットしたパクチーを一緒にして、乱切りにしたキュウリを一緒にする。 2)そこに、水煮ひよこ豆、雑穀米を混ぜる。 3)カッテージチーズとトマトを飾る。 4)ドレッシングの材料を混ぜあわせ、まわしかける。 大きなトマトを使うと水分が多くなるので、ミディトマトやフルーツトマト、プチトマトがお勧め。動物性たんぱく質としてカッテージチーズを加えました。
  • パワーサラダ作りを楽しみましょう

    S パワーサラダで使われるスーパーフードとはどんな食材ですか?
    山田先生 抗酸化作用が高い食材、新陳代謝を促したり、コレステロールを押さえたり、生活習慣病を予防する成分が含まれているものなどいろいろあります。ひとことで言えば「健康によい栄養素を豊富に含む食品」です。チアシード※1、キヌア※2、ゴジベリー※3(クコの実)、ブロッコリースプラウト※4、アサイー、アボカド、アーモンド、カカオ、ココナッツなどがあげられます。
    S なかなか野菜が高くて買えないわ、という声もあると思うんですが。
    山田先生 中には「買ったものの、なかなか使い切らない」という食材もあるようです。そんなときは、パワーサラダに加えてください。パワーサラダに加える食材は自由です。冷蔵庫に入っている食材、缶詰、卵なども使って、組み合わせを考えながら作ってみてください。
    S スーパーフードのほかにも多くの食材を混ぜるから、見た目もきれいで食欲が増しますね。
    山田先生 ボリュームがあるので、男性やお子さんにも喜んで食べていただけると思います。きっとサラダ作りが楽しくなりますよ。

    ※1 シソ科のチアから取った実。 ※2 アンデス地方で食べられている雑穀。 ※3 中華食材のひとつで、赤いクコの実。 ※4 ブロッコリーの種を発芽させた新芽。

  • 豚しゃぶのパワーサラダ ひよこ豆のパワーサラダ サーモンのパワーサラダ

  • (取材を終えて)

    肉や魚、穀物まで入ったパワーサラダ。全てをひと皿に入れて、ドレッシングをかければいいのだから、料理が苦手な私でも簡単に作れそうです。スーパーフードを加えて、毎日食べ続けたいと思いました。

    (クレジット)
    取材・文:吉澤実祐
    写真:タカオカ邦彦 

    『NY発!サラダボウルレシピ』(大和書房)山田玲子著 スーパーフードや雑穀を使った、ヘルシーで満腹感があるサラダレシピ集。基本のドレッシングの作り方も掲載されています。